■

ふん、今日は凹む事だらけだ。厄日に違いない。
まあ、よいさ。それを糧にしてやろうじゃないか。望むところだ。
ところで、今日、ようやく雨が上がり始めたので、自転車に乗って出勤してみた。
あまりに久しぶりで、自転車ってこんな乗り物だったのかと改めて思った。
出力も、入力も、車とは段違いで、感覚が研ぎ澄まされる。
特に深夜の車のない時間帯は、風になったように意識がなくなる。
・・・そういえば、昔から自転車に乗ると意識が飛ぶというか、
自分の身体から意識が離れる感覚になる。しかし、この自転車異様に乗り心地が良い。
エアサスのせいか、段差も悪路も滑らかな滑り出しで、それに加えて、
ブレーキ性能も加速感もある。難点は折りたたみ自転車特有の車体とグリップの短さ。
そこまで、車体が短いというわけではないけれど、もう少し長いほうが好み。
でも、いい買物をした。機能的で、美しい。
走ることがこんなに楽しいと思い出せたのもこの自転車のおかげだろうさ。
スーツを着なくてはいけないのが難点だけど、夏に向けて暫く自転車で通おう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
風に乗るように、滑らかに夜の街を走る。
辺りに人影はなく、樹海の森の湿気に誘われて、
どこまで走り抜けることができるだろうか？
やがて消え去るこの風のように、僕の意識も消えていく。
感覚だけが研ぎ澄まされて、夜の闇を切り裂くだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところで、最近、元気にしてますか？
君はどう思っているのか知らないけれど、やっぱり大切なんだ。
誰とは言わないけれど。
それでも、東京に来ると聞いて僕の心は揺れ動く。
すれ違いであえないけれど。もう恋心はないけれど。
会いたいと思うのは何故でしょう？