母の日

2月がバレンタインで、3月がホワイトデー、4月がなんかしらんが、
5月が母の日とは14日とはよほど祝われたいのだろう。
月の中間、月が満つるから丁度良いのかもしれないし、
中だるみを防いでいるのかもしれない。もしかしたら、期が熟す頃合なのかも。
そんな母の日です。特に何をするわけでも、めでたい気持ちでもないのだけど、
祝い事やイベントが何とはなしに参加して、楽しんだ気分になるのが好きな僕は、
やはり母の日も祝ってしまうのです。
とはいえ、現在、連続出勤の記録更新中の身としては、外に食事に誘うことも、
なにかをプレゼントすることも、料理を作る時間がないのです。
先週も前倒しで行われた親族による母の日の外食も、
昼から晩まで働いたので、不参加と相成り、不義を働いてしまったので、
ちょっぴり気にやんでいたりもする。
土曜日は、土曜日で、やっぱり二度出勤で忙しく、いい加減仕事を言い訳にするのは
よくないなぁ、などと思いながら、別の友人へ感謝と申し訳ない気持ちを持ちつつ、
バイトと2時間休憩の合間に駅前で食事をしたわけです。
そのパスタ屋の向かいには花屋があって、それはもう人垣が出来てたりするわけです。
「そうさ。僕は親不孝さ。母の日を祝おうとする女性があんなたくさんいるのに、
僕達は仕事を理由になんの感謝の気持ちを表していない。そんなことでいいのか、
渡邊君!」「えっ、俺かよ!でも、なんか買いました?」「いんや、なんも。」
「やっぱ、普通にカーネーションですかね?」
「正直なところ花を贈るのはどうなんだろうか?と僕は思う。
例えばデートで花を渡すシーンがあり、スマートに渡す男性と
花を受け取り、花よりも素晴らしい満面の笑顔をこぼす女性の像に憧れるけど、
実際にはその後、荷物になるし、邪魔だし、生ゴミに捨てられる運命にあるのだよ?」
「確かに。でもそれはあれですよ。男性的な考えですよ。」
「なるほど、女子高生の金子さんは花なんかよりも金が欲しいと率直だったがね」
「その後に、母親くらいの年代になるとやっぱり花は嬉しいとも
いってたじゃないですか」「ふん、でもやはり僕は懐疑的だ。」
そんな昼下がりを過ごして、次の日もやっぱり通しで働き、
週間になっている深夜のコンビニめぐりをするとカーネーションが半額になっていた。
「・・・とはいえ、なにもしないのは寂しいのだろうね。」
そう、誰に言うでもなく呟いてから、カーネーションを担いで居間の机に置く。
特になにか書置きを書くわけでもなく、放置状態。
まあ、そんな母の日。明日の朝、どんな反応を示すだろうか?