夢の終わり

同期が、先輩が、御世話になった人が、採用担当者が去っていく。
それは僕とは関係のないことのはずなのに、ひどく心をえぐってくれる。
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今日、月の人事通達が配信された。
そこに見知った名前の転勤と、そして退職者の名前が書いてあった。
一人は現場で、六本木でともに新入社員として学び、夢を語った。
一人は面接で、一緒の班でこの会社に入ってともに働くことを約束した。
一人は研修で、今の店の立ち上げをして、働く術を教えてくれた。
一人は採用で、働くことの不安と夢を受け止めてくれた。
その人たちが、この一年でもっとも馴染みの強かった人たちが、会社を辞める。
それはどうでも良くて、それでもやっぱり寂しくて、本当に切ないことで。
ともに掲げた夢を、彼らは見果てて、僕はまだここにいる。
一人、置いてけぼりにされたような、そんな気分になる。
みんな、どこにいってしまうのかな?
一緒に頑張ろうって言ったのに。
一緒に働きたいって言ってくれたのに。
その言葉を思い出してはいまを乗り越えてきたのに。
あの頃、一緒にはなした夢はもう終わってしまったのかな。
さようなら、もう会うことはないでしょう。
それでも僕は君と見た夢を忘れない。
たとえ君が夢を忘れたとしても。
最後の一人になろうと、夢を終わらせない。