ショック

僕が愛してやまない炭酸飲料のNUDAがセブンイレブンの棚から消えた。
僕はこれからなにを楽しみに生きていけばいいのだろうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ところで親父殿はワインバーに行った事があるかな?」
近いうちにくる友人のために店を探すため、軽い気持ちで聞いたのが間違いだった。
酔っ払いに、その人の嗜好範囲の話をするものではないね。
ワインについて語られてしまった。
曰く、ワインの善し悪しはその人の味覚が大きく関係してくること。
20年前、彼が好きだったワインが値上がり、彼には手が出せなかったものが
値下がりしている。それは需要と供給の話で、素人が多く参入したため。
ようはものの本来の価値もわからんような輩が多いためで、そんなことでいいのか?
ワインを知りたいのなら同じ産地のワインを白の薄口から赤の濃口までの
段階を飲み続けること。そうすれば、大体の流れがつかめる。
そしてなによりもワインは印象の飲み物だ。
同じような味の中で、そのワインを飲んだときの印象を自分の経験と照らして覚える。
その印象からワインを識別していけばいい。
でも、ソムリエのように知識でワインを飲むのは、ワインを楽しんでいるとはいえない。
自分にあったワインを飲むことが一番の楽しみなのだから。
・・・と要約するとこんなことだろうか?
「・・・ぼくはそんなことを聞いていないのだけど。」
「ただひとついえるのは、ワインの味が重要なのではなくて、一緒に飲む相手が重要」
・・・この人はあらゆる意味で僕の父親なのだとこのとき思った。