毒+楽しい

毒とはいったいなんだろう?
健康や生命を害するもの。ためにならざるもの。禍なるもの。
人の心を傷つけるもの。害悪、悪意・・・毒薬。
人は三つの毒を持つ。貧欲、瞋恚、無明。言い換えれば、執着、嫉妬、無知。
さて、君の心を支配しているのはどれだろうか?
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「でね、猫の餌には枯葉剤の材料が入っているのだって、ショックを受けた」
枯葉剤そのものでないのならよいのではないかな?」
「でも、それは有害なんだよ」
「この世界に有害でないものなってあるかよ。空気ですら毒なのにさ」
「うん」
「でも、僕らにはその毒を得ても回復する力があるさ」
「ほう、悲観的なのかと思ったら」
ミトコンドリア葉緑体も元は別個の生物で、その集合が僕達さ」
「ミミズみたいなw」「そうなんだけどね。ある面では毒でも、ある面では薬になる」
「うん」「だから、何も恐れることはないんだよ?」「うん」
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毒に犯されても、そこから復帰する力を持っている。
だからこそ、人は悟りを開くことが出来るのだから。
たとえ、自分の中にどんな毒を持っていたとしても、人はそれを浄化できる。
僕はこの心に負う毒と随分と長い付き合いをしているけど。
ある日を境にこの毒も浄化されて、薬になるのかな?
誰かを癒せる薬になれるかな?
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「人生は楽しいですか?と聞かれてさ。楽しいってなんだ?」
「楽しいってのは音楽に満たされていることです」
「うん?」「この世界は音で満たされていますから。鼓動や風や何でもいいんです。
生きることにリズム―波を持っていて、メリハリがある。だから音楽です」
楽とは心身に苦痛などがなく、快く安らかなこと。でも、それだけでは不十分で、
苦痛を、毒すらも受け止めなくては楽にはならない。
なぜなら、世界から苦痛がなくなることはないのだから。
苦痛と快楽とその連続こそが人生で、それすらもなければ人生は楽しくない。
「なるほど、確かにそれはある」
「だから、その人にメリハリがあることですと伝えてあげてください」
「僕がメリを探すんで、ハリを頼みます。
でも、あなたにとってのハリは僕にとってのメリでもあるのです」
「詭弁ですね。何も説明しないことで、説明したことになっている」
「確かにそうだ。その二つは違う。でも、違うんだ!」
「そこ、意見を覆したように見せて、反復しているだけの詭弁を使わない。」
「ばれたか」「慣れてますから」「26歳で四捨五入しなくても30になるようにw」
「まあ、似たようなモンですよ。あ、お好み焼ききた。」
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減り張り―緩むこと張ること、強弱、伸縮…。
ようはバランス。薬も強すぎれば毒になる。毒もまた弱すぎれば薬になる。
弱さを受け止める強さもまた、必要とされたい弱さに繋がっている。
弱いから強がっている誰かのように、強いから弱っている誰かのように。
弱さを強さに代えて生きていこう。