聖夜・前夜の前夜

街はクリスマスで浮かれている。あまり実感していなかったけど、
調布のパルコで年賀状を買いに行ったらふいに気付いた。
なんと、幸せな気配が街を満たしているのだろう?
期待と不安と打算と、やっぱり期待を胸に皆が明日が来るのを心待ちにしている。
どうしたって12月24日はやってくる。気付けば今日の明日がそうなのだ。
いままでと変わりない日常を彩る特別な日。関係なくそれは訪れて、去っていく。
幾つかの約束は、所詮約束で守られることはなかったけど、願わずにはいられない。
やっぱり、こんな日を独りで過ごすのは寂しいものね。
どんなに望んでも手に入らないものがある。
手に入れても失われて壊れてしまうものもある。
せめて、こんな日は世界に祝福を。
そして、祝福に満ちた世界をみて、不幸だと思う僕も少しは救われるといい。
最近していなかった言葉遊びでもして、過ごすのも悪くない。
・・・・・・・・・・
ふと思う。
生きるのって、こんなにもつまらないことだったのだっけ?
いつも似たようなことばかりを言っているけど、今回は少し違う。
本当になんだかつまらない。下らない。興味がない。面白くない。楽しくない。
ああ、そっか。僕はいま、なんの変化も影響もない段階あるからか。
いまは空白の中継点。失われた繋がりの時。きっと振り替えっても思い出せない所。
そんなときは決まって何かを探してたのに、もうそれすらも疲れた。
大概のことは、もう知ってしまったから。
生きるのってつまらないなぁ。本当に。固定されて、変わらないことがこんなにも
つまらないなんてね。いつだって、このときを望んでいたのに。
全部、以って枯れてしまった。少しずつ、腐敗していく感覚。
後退する知能、輝きをなくす発想、冴えない頭、ぼんやりとした未来、
コメカミに中指を突き立てて呟く「・・・ばぁん」
この脳髄を吹き飛ばしたらどんなにすっきりするだろう?
あーあ、あーあ、あーあ・・・どきどきすることはないかなぁ。
優しい気持ちになれるなにかはないかなぁ、心から愛しいと思えることはないかなぁ。
感動できて、笑って、泣いて、怒ってる、そんなことはないかな。
倦んで飽いたこの生き方を変えるなにかはないかな?それすらも僕次第?