最近、本当に夢ばかりを見る。現実に倦んでいるのだろうか?
今回の夢は本当にひとつの幕しかない。
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紫の空、黒い雲、ひび割れた地平、一本の木、辺りに何もなく、
空に浮かぶ昼の月、半端に輝く流星群、灼熱の風が吹く。
その木には今まで見たこともないような強烈な紅色の葉が茂っている。
風が吹くと、その葉が一瞬で燃え上がり、紅葉の赤が炎に変わる。
葉が炎になったのだ。黒煙を上げて、燃え尽きるかと思った瞬間に、
時間が止まり、炎はその姿のまま動かなくなる。無音の世界。
辺りに舞う、火の粉に触れるとそれは薄紅色をした花弁になり、
それを指先で擦ったなら乾燥した血液のような粉になる。
ああ、これが灰なのだとなんとなく思って、口に含む。
すると時が動き出して、葉は全て燃え尽き、指先から血が滴り落ちる。
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そこで目が醒める。もう、ここまで来ると何を象徴してるのか、
自分の記憶の何を整理しているのかわからない。
赤か・・・。
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「僕の見ている赤が、君と同じ色なのかな?」彼はそういっていた。
「脳には、たった一筋の光も届いていないからね」
「全ての感覚は、電気信号化され、脳で書き換えられ、出力された結果さ」
「じゃあ、好きな色は人それぞれだけど、脳で見ている色は同じだといい」