「今、君が持っていないものは、君に必要のないものなのさ。
神様は無駄なことはなされない。常に我々一人ひとりのことを考えてくださる。」
「ルールを作る神が為すことに無駄なことなどあるはずか。そんなのは詭弁だ。
しかし、その考えで行くと誰にとって無駄のないことなのだろうね?
それは神にとってということだろう?我々のことを平等に見ていても、
自身のことはどうなのだろうね?僕らは神に似せられて作られたのだろう?」
そう嘯くと彼は苦笑いした。
「そんなことを聞きたいのかい?君は今、自分自身の問題を問いにきたのだろう?
君の悪い癖だね。これは君の問題なのだよ。君は自身のことを考えるのが苦手だね。
一般論に拡張してもなんら解決にはならないよ?」
「そんなことはわかっているさ。しかし、どんなものを見ても認識は自己を
通してできないなら一般論も自己の認識の認識にならないかな?」
「世界は君が認識して初めて成り立っているとでも?唯我論は論破できないけど、
それを本気で信じているとは思えない。仮にそうだとしたら、
君がこうして思い悩むのはナゼだろうね?僕は君を手助けすることはできる。
でも、決めるのは君だよ。問題から眼を逸らさないことだね。」
「こうして思い悩んでも結局、意味はないのかもね。」
「そんなことはないさ。悩むことで問題を問題と捉えられる。
たまに答えを見つけることもできるだろうね。昔の科学者は言ったね。
『それは準備のできているものにやってくる。』まだ君は準備しているのさ。
悩め悩め。神様に縋るのもいいけど、他人任せはよくないな。」
「さっきといっていることが違う気がするけど。準備か。
好きだけじゃ足りないのかな?」
「足りない。全く足りないね。」
「どう足りないのかな?」
「それは人によって違うよ。いえるのは現状が今までの過程の答えだということさ」
「どうしたらいいのだろう?」
「今できることは悩むことだけさ。その時がきたら神様が教えてくれる。」