ミスター・ドーナッツ

今日、久方ぶりにミスタードーナッツに行った。
時にたまに稀にひょんなことにドーナッツを無性に貪りたくなることがある。
こういう場合、僕を知っている人は気付いていると思うが、極端であることが多い。
例えば黒の無地の服しか持っていないとか、同じ規格でないと気がすまないとか、
とりあえず完璧主義なところがある。
ドーナッツの場合はオールドパッションのみを12個買うことにしている。
大概、12個を食べることすらなく、買った瞬間に満足する自分がいる。
衝動買いとか、所有欲とか、ドーナッツを食べることを想像するにも関わらず、
買った瞬間に食べる自分の像が完成してしまい、満足するというのだろうか。
よくわからない行動だと自分でも思う。
確定した未来というのはつまらないもので、多分、そんな理由だと思う。
だから自分の想像もしない行動に出られると凄い楽しい気分になる。
満面の笑みを浮かべるぐらいには楽しい。
その意味で、行動の読めなかった彼女は僕にとって酷く楽しい人だ。
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ところで思うのだが、ミスタードーナッツは「ミスター」の名を冠している割に、
ファンシーなイメージの企業であるように思う。
そういえば、ミスドの経営分析とかしたことがないなぁと思って、
ネットをさらりと検索してもなかなかこれだと思うものに当たらない。
ダンキンドーナッツとミスタードーナッツの経営者は親戚同士って情報には
驚いた。
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昔から女性向けの店なのだなぁと思っていたら、
最近はやたらとその路線を強調しているような気がする。
ポンデライオンに始まり、様々な点で女性を意識している。
「ミスター」を冠しているのだから、もっとダンディな大人の男を標的にした
隠れ家的な店も出してはいいのではないか?
モダンでダンディズム溢れるドーナッツ屋。
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ぎぃぃぃ・・・重厚なドアが悲鳴をあげ一人の英国紳士風の男が店に入ってくる。
「いらっしゃいませ」と店を預かる執事風の白髪の老人。
意味もなく皿を拭いている彼は、一片の隙もなくこの店を経営している。
「ご注文はいかがなさいましょう?」と問われ、紳士は
「・・・いつものを」と答え、神妙に頷く。
店の照明は薄暗く、何処からかジャズが流れている。
コートを掛け、紳士は彼の指定席である店の奥の一人用ソファに身体を預ける。
それと同時に珈琲とオールドファッションが彼の前に置かれる。
おもむろにドーナッツをかじり、珈琲を一口啜り、呟く。
「・・・私も老いたな」
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どうだろうか?
ただひとついえるのは、僕は文章の書き方を勉強し直した方がいいと思った。
表現力に乏しい上に、そら寒い気分になってくる。
まあ、しかし、こんなドーナッツ屋があったら一回行ってみたいものだよ。