悪とハッピーエンド

「この世界には悪が足りないとは思わないか?」
誰か悪者を倒しさえすれば平和に幸せになれるRPGのように、
単純な正義と悪のストーリーが現実にもあればいいのに。
正義も悪も中立も複雑に絡まりあって、陰陽のように世界はあるのだろうな。
悪を倒したらスタッフロールが流れて、そのまま終わってしまえばいいのに。
悪を倒したら新しい悪が現れたり、愚鈍な人々が何も変えなかったり、
救世主が独裁者になったり、現実は聖書の世界からあまり変わらない。
誰かが救ってくれるという幻想を捨て、明確な悪と戦う日が来るのかな。
それても「泣いた赤鬼」の青鬼のように自分が悪になって、
全てを受け入れる時がくれるのかな。
やれやれ、世界は腐っている。そして、きっと、僕も、ね。
悪を渇望しているのだから。