王朝の味覚

先日、予てよりの夢だった王朝の味覚にいった。
そこは新宿の東京ヒルトンホテルにある高級中華飯店で、
土日祝日のみ一万円の食べ放題を展開している。
なぜ、夢なのかというと、日本でシンガポール並みの中華が
食べたいという夢と、ハタ科の料理が食べたかったからである。
一般に清蒸と呼ばれるその料理は、日本ではお目にかかれず、
また、お目にかかってもカレイとか鯛とか
この調理法に向いていない魚を使ったものが主流となっている。
結果から言えば、普通であり、また清蒸もなかった。
一万円の適正な料理とはどんなものかとも思うが、
率直に言ってしまえば、高級食材を使っただけの中華料理である。
そう、それだけで、特に調理技術が優れているとか味付けが最高、
というわけではないのが非常に残念であった。
日本人好みの中華料理、といった印象を受ける。
残念なことに、素材の持ち味を損ねているとも思った。
味付けがくどいので素材の風味が失われている。
何を食ったかといえば、前菜三種盛り、フカヒレ姿煮、
伊勢エビの梅ソースがけ、アワビと車エビの炒め、
ツバメの巣と蟹の卵のスープ、牛肉の黒こしょう炒め、
アワビのオイスター煮、北京ダック、鮮魚の紹興酒漬け、
貝柱のおかゆ、海鮮焼きそば、芝エビの炒め、
貝柱とブロッコリーの炒め、蟹爪、車エビの両面焼き、
杏仁豆腐を食べた。
多分、軽く元は取れているだろう。
メニュー構成からわかるように、僕たちは海鮮好きだ。
ここのメニューはびっくりするほど高い。
蟹爪なんか一本で2,600円もする。
そうえいば、食が多様な文化は専制君主が多い文化だという。
というのも、食材を開拓するのに囚人を使って毒味させるためで
ふぐの調理法を開拓するのにどれだけの人が死んだのだろう、と
想像してみる。
そんなわけで、この日一日で体重が3kg増しで、
今日から食事制限と来月からジムに通い始めます。