対立・転勤

先輩が転勤になった。
そして、僕も転勤が仮決定した。
所在地はいまとあまり変わらない。
そんなわけで今日は仕事のはなし。
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先日、バイトが遅刻してきた。
最近、あまりにも遅刻する回数が多いため、
来た瞬間に叱ろうともう既に決まっていた。
なので、彼が店に来た瞬間、事務所の壁に押し込んだ。
すると彼は逆上して、拳をあげてきた。
いかんせん、僕との体格差があるので彼の拳は空を切り、
両手を拘束されて身動きの取れない状態になった。
「で、なんで遅刻してきたんだっけ?あ、店長は厨房をお願いします」
「ああ、だから授業があって、バスが遅れたんだよ!
こっちだって、悪いと思ってんだ!」
うん、切れてる切れてる。
「悪いと思ったら、なんでも済むのか。お前が遅刻する事で、
他の奴にも迷惑が掛かってるのわかってるだろ」
「でも、しょうがねぇだろ!こっちだって追い詰められてんだよ」
ああ、そうだった。この間、親に成績表を見られたんだっけ。
「っていうか、いい加減離せよ!」
「いや、離したら殴ってくるだろ」
「いいから一発殴らせろよ!」
「殴って気が済むんだったらいいけど、余計ややこしくなるからパス。」
「ふざけんな!てめぇ、やんのか!」
あーもう、完全に引っ込みがつかない状態になってる。
「いいから落ち着けよ」
「離せ!」
「離したら落ち着くのか?じゃあ、ほれ」
と、手を離した瞬間に殴ってこようとする。
あーめんどくさ、と思いながら相手の肩を押して、
威力を削いで、再び密着。拘束。
すると別のバイトがやってきた。
「あーもう、めんどくせぇなぁ」と間に入ってくる。
いいタイミングだなぁと思ったら、
「おらぁ、一発殴らせろ!」と更にヒートアップ。
今黒板叩いた手、痛くないのかなぁ。と思っていたら、後日、
彼の手はそれが原因でヒビが入っていた。
「しのみー、こっち大丈夫だから店よろしくー」
「ほんとに?うぃ」と仲裁に入った彼を戻らせる。
「んだこら、表でろや!」
「お前、金大丈夫なの?だったら9時Lでシフト組むぞ」
というと、相手はきょとんとした。
よし、意識がそれた。
「お前が単位やばくて、親に睨まれてんのも、大学が遠いのも
知ってる。だけど、遅刻されたら困るのも理解しろ。
遅刻しないようなシフトを提出すればいいだけだろう。」
「あ・・・はい。」ようやく沈静化。
「それでいいんだな?それで来週のシフト組むぞ」
「はい、済みませんでした」
「ごめんな。でも、怒らなきゃいけない時ってあるんだ。
他の奴に示しがつかないからさ」
「はい、わかります」
「うん。前にもいったけど、お前に期待してんだ」
「・・・ありがとうございます」
「じゃあ、片付けようか。」
「はい」
「ごめんな、ここ赤くなってる。痛かったか?」
「大丈夫です、はい。」
その後、二人で事務所を片付けて、仕事に復帰。
さっきのことを笑えるくらいに関係は修復。
「市来さん、力つよすぎっすよ。全然、びくともしねーの」
「市来さんはさっきので疲れました。」
「ほんとっすよ。やんなきゃ良かった。」
「だねー。」
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ああ、久しぶりに掴み合いになった。集中力いるわ。
今回、相手が力弱くて助かった。
もし仮に、掴みきれなくて殴られでもしたら詰まらん結果になる。
素人同士で殴っても、お互い怪我をするだけだし。
あんま、慣れてないのだよねぇ。こういうの。
上手く行ってよかったけど。