妊娠

「妊娠した」
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っていわれてもねぇ。ふーん。うちの姉もついに懐妊か。御めでたい？
ところで、僕はお年玉をあげるべきか真剣に悩んでいる。
あげるとしたらいくらが適正なのだろう？
っていうか、そもお年玉って餅を配るものではなかったろうか？
起源は諸説あるけど。
神社で奉納される鏡餅、鏡餅を砕いて参拝者に配る、配られた餅は食われ循環する。
鏡餅は鏡、魂を映す鏡、それは魂と玉を繋ぐもの、神社にあるのは神様の鏡。
では、それは神様の魂？それを食べた僕達は神様を身体に取り込み、神様になる。
だから御年玉。鏡餅なんぞここ数年食っておらなんだ。今度、食べてみよう。
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結婚したり、妊娠したり、親になったり、それらが現実味を帯びてやってくる。
事実、親兄弟や同年代の友人の幾人かはすでにそうなっている。
不思議、不思議。自分の人生とは関わりがないと思っていたもの。
いつのまにか意識の外に出していたのに、それは僕に起こり得るものなのだ。
難しいと思っていたのだけど、意外と簡単なものなのかもしれない。
それを意識したのは彼女に「結婚して」と言われてから。「別にいいよ」と答えたら、
彼女は酷く嬉しそうな顔をしていたっけ。もう、昔の話。
何度も思う。僕は家族とか血縁とかそれらのものとの繋がりが酷く薄い。
そんな僕もいつか誰かの親となり、家族となるのだろうか？嘘っぽい。
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