失恋

彼女に掛かっていた魔法が解けました。
「愛してます」といったら『愛してない』といわれた。
人は変わるものだという。
彼女の僕に対する想いが醒めたように。
僕が彼女を好きになったように。
いつか別れるのかもしれないと思っていた。
でも、それはお互いに納得して、話し合ってだと思ってた。
そうではなかったけど。
いつしか、瘠せてぶかぶかになってしまった指輪のように、
するりと抜け落ちて、ぽっかりと何もなくなってしまった。
状況は何も変わらない。
今までどおりの日常が残されて、ただそこに彼女がいないだけ。
愛する人がいないだけで、今までどおりの生活が続く。
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ほんとはずうっとまえから君の事をしっていたんだ。
生協のカウンターの前に立っている君を。
いつかこのことを話す日がくるのかと思ってたけどね。
もう、だめなんだね。
嫌だなぁ、また大切な人をなくすのは。
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仕事に対する情熱も、いつか君と一緒になるために頑張ってた。
だから、もう嫌になってしまったよ。
何のために頑張っているのだろうってね。
お金が溜まっても、使うことがなければ意味がないのにね。
あーあ、本当にぼくには何もなくなってしまったよ。
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大好きだったのに、お別れだって、寂しいな。
本当に死んでしまいたいよ。多分、死なないけど。
受け入れないとね。
いつか、数年後に会って、お互い笑ってられるように。