地元という感覚

さて、僕の働いている店舗は地元の人が多い。
地元の常連さん、地元のP/A、地元の一見さん。
客が来れば、誰かの知り合いで、バイトの面接に来れば誰かの友達。
地域密着企業?といえば聞こえがいいけれど、
その土地に結びつきがあるのだろう。
昨日も、いつも深夜に来る常連さんのところに酔ったおっさんが絡んで、
その日もビールと地元トークで大盛り上がり。
バイトに「知り合い?」と聞いたら「友達の親父さんっすよ」といった。
そのとき、ふと思った。
きっと彼らは、迷ったとき、嬉しいとき、土地を離れたとき、
なんでもないとき、苦しいとき、そんなときここに帰ってくるのだろう。
ここに帰ってきて、だれか知り合いが、待ってる人が居て、
帰ってきたと友人が集まって、飲み会をして、楽しんで、
また戻っていくのだろう。
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そんな場所が僕にはあるのか?
シンガポールに帰っても、待っている人は誰もいない。
学生時代は、みながどこかへ転校して、最初から最後まで、
国に居たのは僕を含めて両手で数えるばかり。
そいつらでさえも、今はばらばらで、何をやっているのだろう?
両親の地元で生活をしたこともないから、
幼馴染という感覚も、
親戚と過ごした記憶もないから、
血縁という感覚も、
昔からの仲いい友達もいないから、
親しい友人という感覚も、ない。
僕はやっぱり、独りなんだなぁ、と感じた。
それが悪いとは思わない、思わないけれど、そんな人生に憧れる。
帰る場所があって、そこに行けば誰かが居る。
そんな暖かな場所を羨ましいと思う。