組織的怠惰

「物体は大きくなるほど弱くなる」とガリレオは言った。
物体の体積は三乗で大きくなるのに対し、接地面は二乗で大きくなるので
やがては耐えられなくなる。そうでなくても物の耐久性は有限であり、
無限に大きくなればベヒモスでもない限り、自重に耐えられず崩壊するだろう。
つまり、大きくなるものにはその形を維持するための力が必要だということ。
これは人間関係、組織にも当てはまる。
即ち、経営管理論や大企業病、官僚制の例を持ち上げるまでもなく、
組織を維持するための体系、システム維持などは大きさに伴って増大する。
人間の管理可能領域は5〜10人が限度と一般で言われているので、
大人数になれば当然、管理者の数も殖え、仕事の重点が管理に移行する。
そして、管理されない部分は腐敗していく。
2:6:2=8:2:?の法則とでも言うのだろうか、
組織の上層部の2割が組織行動の8割を占め、6割がただいるだけか2割を維持し、
残りの2割はサボるか足を引っ張るといわれている。
これは何も人間に限ったことだけではなく、蟻であるとか、ねずみであるとか、
真社会性、社会性を持つもの全てに当てはまるという。
そして、どんなに不利益をもたらす2割を排除したとしても、
組織の約2割は遊びの部分が残るらしい。
ちなみにこれは組織運営自体に余剰がある場合のみであって、
三人や五人しか居ない状態ではフリーライダーは発生しにくいといわれる。
(実際にAPUのプレゼン状況を見ると納得行かないものがあるが)
ハダカデバネズミなんかの真社会性を持つ動物は、
女王が巣穴を見回りこのサボってる連中を見つけては、ぶん殴る。
どつかれたねずみは人が変わったように働くというから、
上司にサボっているところを見つかって、目玉を喰らっても心を入れ替えず
反抗するどっかの哺乳類よりはましなのかもしれない。
ようはモチベーションの問題である。心構えってね。

なんでこんなことをいっているのかといえば、
最近、自分がだらけているなぁと実感したからであり、
そういえば、こんな話があったなぁと頭の中で知識を組み合わせたら、
このような結果になったのです。
そのきっかけとなったのは道路公団天下りの記事を読んだからだけど。
公然の秘密ってどうなんだろう?
それはもう、秘密ではないのではないかなぁ?
なんで罰せられないのだろう。
公然と、悪いことをしている、彼らを。
法は道徳に基づくはずなのに。道徳は民主主義では多数決で決まるはずだ。
一部の人間のみで行われる多数決に意味はないと思うがな。

ところで飲食業を含む被雇用者のやる気は下がる一方のようだ。
未来に希望をもてない。
そういえば、希望格差社会?という本が出ていたなぁ。
その本を読んで、星新一あたりのSF作家か科学者か映画で、
人類は将来、労働階級と支配階級で別々の進化を遂げるといっていたっけ。
仕事そのものよりも、現実、未来に希望がもてないようだ。
随分と長いこと閉塞感を感じるし、未来に対して環境や経済や諸々で、
暗い話題ばかりが上ってしまう。万博も年々、盛り下がっているのは、
その辺が原因なのかもしれない。
夢がない。夢がないから何もする気になれない。なにをしても一緒。
適当に、流れ、流され、ゆらゆら、ふらふら、タユタウように生きる。
そういうのがふえているのかもしれない。
そういうふうになったのかもしれない。
元々、そういう風だ、僕は。
やれやれ、この時間まで起きていると内省的になっていかん。